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ポータブルスキルで最も重視すべきこととは

ポータブルスキルという言葉、どこかで聞いたことはあるけど、「実際に、どういう意味?」というのが、一般的な印象でしょう。

 

厚生労働省が、ポータブルスキルという言葉で、個人のスキルを説明しています。ポータブルスキルとは、持ち運び可能な能力、あるいは仕事をする上で重要な能力という意味です。主に三つの能力からなります。ひとつは、専門技術・知識、二つ目は、仕事の仕方、三つ目は、人との関わり方です。

 

専門技術・知識は、特定の業界や職種などに、適用するスキルを指します。

仕事の仕方は、課題を明らかにして計画を立て、それを実行する能力を指します。

人との関わり方は、あなたが接する三つのタイプの人との関わり方です。それは、社内的、社外的、部下との関わり方です。

 

専門技術・知識は、長い間仕事をされてきたあなたを表す最も重要なスキルです。

今後新しい仕事を始めるにしてもまず、ベースとなる項目です。

これまでと同じ仕事をするのか、少し脇道にそれた仕事をするのか、全然違う分野に進むのか、といった選択です。

 

 仕事の仕方については、これまでの仕事をどのようなプロセスで進めてきたかです。現状の把握や課題の設定方法といった課題を明らかにする業務、計画の期間、関係者との調整、前例の有無の確認といった計画を立てるといった業務、実際の課題遂行や状況への対応といった実行するという業務です。

 

人との関わり方は、三つあります。

 

1.社内的な関わり方としては、上司や経営陣とどう関わるか、

2.社外的な関わり方としては、取引先や顧客とどう関わるか、

3.部下の関わり方としては、評価や指導などをどのように行っているかです。

 

あなたはどのような仕事に就いたとしても、専門技術・知識をベースとして、あなたの仕事の仕方について最良の方法で進めていかれると思います。その際に、あなたが仕事を進める上で、どういった方と長く時間を費やすことになるのでしょうか?

 

大きなプロジェクトに関わることになり、たくさんの方といっしょに進めていく場合は、

1の社内的な調整に多くの時間を費やすことになるでしょう。

 

新しい商品を開発して、対外的にPRして、売上を伸ばしていきたいという場合は、

2の対外的な取り組みに要する時間が多くなります。

取引先や新規顧客開拓といった対外的な仕事がメインとなります。

 

ある程度成熟した事業に関わる場合は、

3の部下の教育や、新人の指導といった業務が増えることになります。

社員教育の資料の作成や指導、営業面の教育といった、仕事メインとなります。

 

あなたは、上記の業務のうち、どういった業務に長く携わってこられたでしょうか?

長く携わってきた対象が、あなたに適した「人との関わり」といえるのではないかと思います。

しかし、長く携わってきたものの、その関わり方でよいのか、やはり別の対象が向いているかと考えるのは、非常に重要なことです。

 

 50代以降や、定年前後の方々にとっては、やりたいことや、好きなことをやるというのが、今後仕事を選択する上での、目標でしょう。どのような仕事に就くにしても、人との関わりが、どのような対象であるかをなるべく早い時点で見極めておくことが大切です。

 

 人との関わりは、どこにいても、避けることのできないものです。

自分自身のこれまでの人間関係を振り返り、好きなこと、やりたいことを行うためには、どういった対象の人と関わるか、関わっていきたいかを再度見つめなおしてみましょう。

自分にとって、良好な人間関係を築ける箇所こそが、長く仕事を続けるうえにおいても、やりたいことや、好きなことを進める上においても、最重視すべきスキルといえるのではないでしょうか。