ある方から、「あなたの座右の銘は何ですか」 と聞かれました。 日頃、そういうことをあまり考えていなかったので、少し時間をいただき、後からメールで連絡すると伝えました。
あなたの趣味とか、特技は何ですかと聞かれることはこれまでありました。が、座右の銘を聞かれることなどはなかったからです。
さて、私の座右の銘は何だったと考えても、すぐには出てこなかったため、インターネットで「座右の銘」を調べてみました。すると「座右の銘一覧」とか、ランキングとかが出てきて、以前見たことや、聞いたことのある言葉がたくさん出てきました。
最初は、その中から、これはというものを選ぼうとしたのですが、なぜかピンと来るものは 見つかりませんでした。「もう少し若い頃であれば、この言葉を選んだのに」という言葉は見つかったのですが、今の自分に置き換えてみると、どうにもそぐわないのです。
なぜかと考えてみると、聞かれた相手がビジネスに関わっていた人だったからです。ビジネスでの付き合いがある人に聞かれたわけですので、「座右の銘」を話すとなると、現在の私のメッセージとか、考えていることを示す必要があると思ったからです。
色々考えながら、手帳やノートを見ていたら、次の言葉が、目に入りました。
現実を直視し、やるべきことをやる
その言葉は、過去に出会った印象に残った言葉であったため、ノートに書き移しておいたのです。この言葉は、過去に読んだある本に書かれていた言葉です。
私が読んだのは、「プラクティカル・ドラッカー」という、ウィリアム・A・コーエンが書いた本です。ドラッカーの良き理解者が、彼の著書について様々なことを解説している本です。その中で、ドラッカーはリーダーシップの本としてクセノボンが書いた「キュロスの教育」を挙げていたのです。リーダーになくてはならない心得として、上述の言葉をあげています。
他にも
自分の利益より部下の利益を優先させ、自分の事より部下の心配をするのがリーダーだ
この言葉も、非常に印象に残った言葉でした。リーダーシップについて書かれた本に、 よく取り上げられている言葉の一つです。
この「キュロスの教育」は、古代ギリシャ、アテネの軍人で著述家クセノボンの代表作です。 紀元前550年頃の作と言われていますので、今から2500年前に書かれたものです。 時代が変わっても、リーダーに求められる本質は、変わらないということなのでしょう。
私としては、このような「座右の銘」を話すことで、ビジネスの関係者と今後どのような心構えで、取り組んでいこうとしているかを示す良い機会となりました。